宅建試験ではどのような内容が問われるのか?経験を基に解説します

mr-chicken
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こんにちは、mr-chickenです。
宅建試験を独学で勉強しようと思っている方や試験の内容を知りたいという方へ向けてお送りしたいと思います。
宅建試験の内容については、実施者である「一般財団法人不動産適正取引推進機構」により公開されています。そちらを初めてご覧になられた方は、内容を理解するのにとまどうかもしれません。そうならないために、実際に受験勉強をした経験を基に感じたことを踏まえて解説したいと思います。
ぜひ、試験内容を知る手掛かりとしていただければと思います。

1. 宅建試験の概要

1-1. 宅建試験の内容

宅建試験の内容については、下記の通りです。

試験実施の概要
試験の基準及び内容

宅地建物取引業に関する実用的な知識を有するかどうかを判定することに基準が置かれています。(宅建業法施行規則第7条)
試験の内容は、おおむね次のとおりです。(同第8条)

  1. 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
  2. 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
  3. 土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
  4. 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
  5. 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
  6. 宅地及び建物の価格の評定に関すること。
  7. 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。
    ※出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているものです。
出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「宅建試験の概要」(出典元

これだけ見ると内容の把握が難しいかもしれません。

次のように思った方はいませんでしょうか。

具体的には、どういった内容になるの?

こちらについて、次項で具体的に解説します。

1-2. 宅建試験の出題範囲

宅建試験は、大きく4つの分野から出題されます。

  1. 権利関係(民法など)
  2. 宅建業法
  3. 法令上の制限
  4. 税・その他

上記に沿って、先ほどの「試験内容」を分類したいと思います。

  1. 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
    「税・その他」に該当し、税金以外の土地・建物に関する出題
  2. 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
    「権利関係」に該当し、民法や関連する特別法から出題
  3. 土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
    「法令上の制限」に該当し、土地や建物の制限に関する法律から出題
  4. 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
    「税・その他」に該当し、不動産に関する税金から出題
  5. 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
    「税・その他」に該当し、住宅金融支援機構法、景表法、不動産に関する統計から出題
  6. 宅地及び建物の価格の評定に関すること。
    「税・その他」に該当し、不動産鑑定評価基準や地価公示法から出題
  7. 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。
    「宅建業法」に該当し、宅地建物取引業法、関係法令の特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律から出題

2. 分野別の出題内容

2-1. 権利関係(民法など)

この分野の出題の難易度は高いです。民法を中心とした出題となりますが、民法の条文数は、1,000以上あります。さらに、特別法である、不動産登記法、借地借家法、区分所有法からも出題されます。条文だけではなく、判例からも出題されます。そのため、勉強範囲が広範囲にわたります。

この「権利関係」では、全出題数50問のうち、14問出題されます。目標点は、10点を目指します。では、この10点を効率よく取るためにはどうすればよいか。

「借地借家法」から、2問出題されます。「借地」から、1問、「借家」から、1問の計2問になります。できれば、ここで2点を取れるようにしたいです。

「不動産登記法」から、1問出題されます。難しい問題が出る傾向にあります。易しい問題が出題された場合に正解できるように過去問を勉強するのがよいと思います。難しい問題が出題された場合は、捨てるぐらいの気持ちでよいと思います。

「区分所有法」から、1問出題されます。比較的易しい問題が多いため、確実に1点を取りましょう。

最後は、「民法」についてです。目標のうち、残りの7点取ることを目指します。出題されやすい分野がありますので、そこを重点的に勉強することで、効率よく得点を取ることがよいと思います。
出題傾向の高い分野は、以下の通りです。

  • 物件変動
  • 抵当権
  • 売買契約
  • 賃貸借
  • 相続
  • 意思表示
  • 代理
  • 時効

権利関係については、難しい問題を正解できなくても気にする必要はないと思います。それよりも、他の受験生が正解するような易しい問題を確実に正解することが重要です。

全ての問題を正解できるように勉強範囲を広げ、深入りすると莫大な時間を要し非効率な勉強をすることになります。その結果、不合格になってしまうというリスクがありますので、効率よく勉強することを心掛けてください。

2-2. 宅建業法

この分野は、合格に向けて肝となるところです。この分野で高得点を取ることが、合格へ向けた絶対条件となります。

この「宅建業法」では、全出題数50問のうち、20問出題されます。全出題数の4割を占めます。目標点は、18点を目指します。この分野は得点に結びつきやすいため、勉強した分得点が伸びると考えてよいと思います。逆に、この分野を得点源にできないと、宅建合格が遠のいてしまいます。

宅地建物取引業法、関係法令の特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律から出題されます。宅地建物取引業法は、消費者の利益の保護を目的としています。そのために、宅地建物取引業を営む者に対して必要な規制を行っています。考え方がシンプルなため、理解しやすいと思います。

この分野は、暗記が中心となりますが、漏れなく暗記することを心掛けてください。試験には、全問正解するぐらいの勢いで臨む必要があるためです。また、毎年出題されるポイントは変わりませんので、暗記するポイントを整理しながら勉強を進めるのがよいと思います。

2-3. 法令上の制限

この「法令上の制限」では、全出題数50問のうち、8問出題されます。目標点は、6点を目指します。
出題範囲となる法律は、以下の通りです。その他にも対象となる法律はありますが、出題はほとんど以下の法律からになります。

  • 都市計画法
  • 建築基準法
  • 国土利用計画法
  • 農地法
  • 土地区画整理法
  • 宅地造成等規制法

この分野は、「法令上の制限」です。それぞれの法律に制限(規制やルール)が規定されています。聞きなれない言葉や数字が出てきますが、基本的には、各制限の内容を暗記することになります。注意が必要なのは、特に数字に関して他の法律での規制と混同せずに覚えることが重要です。

例えば、記憶があいまいだと、次のようなミスをしてしまいます。「都市計画法」の許可不要となる開発行為の面積要件に関する出題にもかかわらず、「そのような数字を見たことがあるなぁ」と「国土利用計画法」の事後届出制の届出対象面積と勘違いして解答してしまい、不正解となってしまうということが起こりかねます。

各法律ごとに、どのような規制に関する内容なのかを把握して暗記することが重要です。ただ数字だけを覚えているだけでは、試験では使い物になりませんので、ご注意ください。

2-4. 税・その他

この「税・その他」では、全出題数50問のうち、8問出題されます。目標点は、6点を目指します。この分野は、税金とそれ以外の分野に分かれています。

税金以外」の分野は、不動産の値段の算出方法に関する部分である、「不動産鑑定評価基準」、「地価公示法」があります。特に、不動産鑑定評価基準は、細かい内容を覚えるのに苦労した記憶があります。その他の分野については、そこまでの難易度はないと思いますので、確実に得点できるようにしたいです。

税金」分野は、国税地方税が存在しています。税率や特例等、数字に関する要件があって混同しそうになります。税金の種類や特例等がそこそこあって、こちらも覚えるのに苦労した記憶があります。

この「税・その他」の分野は、ややこしいところとそうでないところが分かれていると感じました。比較的やさしい箇所は確実に得点できるように準備をしたいです。「税金」や「不動産鑑定評価基準」の辺りが細かいところを暗記するのがつらかったです。そこで、思いました。この両者について、確実に得点できるように、範囲を絞ることはできないかと。なんと、直前期にはなりますが、出題の法則を発見しました。

年度ごとの出題内容を確認すると、「税金」や「不動産鑑定評価基準」に関する出題に一定の法則がありました。「税金」については、国税は贈与税以外の「所得税」、「印紙税」、「登録免許税」がほぼ順番に出題されているではないですか!地方税についても、「不動産取得税」と「固定資産税」が交互に順番に出題されていました!さらに、「不動産鑑定評価基準」に関しては、「地価公示法」と交互に順番に出題されていました!

私が受験する年の出題内容がわかってしまったのです。この分野で、出題ルールが判明した、3問はほぼ得点が確実となりました。そこで、私は出題される内容に絞って暗記を強化しました。そうです、「印紙税」、「不動産取得税」、「不動産鑑定評価基準」に絞りました。

一応、結果をお伝えします。試験本番では、予想通り「印紙税」から出題されました。よし次は、「不動産取得税」だなと思い、ページをめくると、「あれ?」、なんと「固定資産税」に関する出題でした。1問ぐらいはしょうがない。次の「不動産鑑定評価基準」で得点すればよしとしよう。「あれ?」、これまた「地価公示法」に関する出題でした。3問中2問の出題予想を外してしまいました。この瞬間「やっちまったー!」と思いました。

ただ、直前期の前までに一通り勉強していたこともあり、例の3問とも正解することができました。試験本番で、出題予想が外れた時は、正直「やられた。。。」と思いました。しかし、勝手に予想していた私の責任でありますので、試験自体には何の問題もありません。みなさんは、変に山を張らずに、素直に勉強していただければと思います。私が言うまでもなく、そうしていると思いますが。

3. まとめ

試験内容について、完璧な分析とまではいきませんが、私なりに感じたことを踏まえて解説しました。目標点についても、40点/50点中という高得点に設定しています。あくまで目標点であり、試験本番は何があるかわかりません。普段できていたことができなくなる、ということが起こり得るのが本番だと思います。そのため、少し高めの目標点としています。その水準を目指して勉強すれば、合格可能性が高くなると思っています。

これから独学で勉強しようと考えているけど、試験内容がいまいち不明だという方や、宅建試験ってどのような内容なのか知りたいといった方などの参考になれば幸いです。

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